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現在の仕事
米国社会の「今」や国連の活動を取材

 ニューヨークの国連本部とアメリカ社会が取材フィールドです。国連では、安全保障理事会での決議採択などを主に追いかけます。核・ミサイル開発を続ける対北朝鮮の制裁決議などが最大の関心事ですが、アフリカ各地の国連平和維持活動(PKO)や紛争、人道危機、開発などの記事も書きます。アフリカの紛争地への出張にも出ます。

 米社会の「今」を追うのも大切な仕事。トランプ大統領が誕生した2016年の大統領選挙、白人至上主義者の山奥での集会、テロ事件、災害など、どんな取材でも、なるべく現場に出るように心がけています。米国では常に何かが起きており、日本からの関心も強く、記者冥利に尽きます。体力のある限り、誰かに会って、話を聞いて、写真を撮って、記事を書いています。

印象に残っていること
「トランプ現象」を支えていたもの、それは・・・

 2016年の米大統領選で、現地メディアは連日トランプ候補の問題発言を報じ、ニューヨークでは支持者はほとんど見当たりませんでした。それなのに世論調査では首位を独走。どこの誰が、どんな理由でトランプ氏を支持しているのか? ナゾを探ろうと、レンタカーで地方の街々を走り回りました。主要産業が廃れたラストベルト(さび付いた工業地帯)やアパラチア山脈の街々で食堂やバーに立ち寄ると、大勢の支持者に出会えました。必死に働いている、働いてきた善良な庶民でした。支持者の群像を1年かけて取材し、書きました。日本の読者から多くの反響を得ることができた。「トランプ現象」の理解に役立てたのであれば、これほどうれしいことはないです。

やってみたいこと
ビール醸造という野望

 米国に赴任以来、クラフトビールにすっかりはまっています。どこかに出張に出れば、必ず「地ビールください」と注文しています。そこでしか飲めないビールを楽しむためです。いちど自分でビールを造ってみたいなあ、と妄想を膨らませています。

MY CAREER HISTORY私のキャリアヒストリー

2000 / 04

入社 神戸総局 県警担当 [1年目]

 先輩記者に付いていくのに精いっぱい。入社半年後、事件の続報で他紙に載っていない独自の視点の記事を出せたときの喜び。発表モノではない取材のおもしろさを知りました。

2001 / 09

神戸総局 県警警捜査2課担当 [2年目]

 着任直後に全国ニュースになる知能犯事件が相次ぎ、何度も他紙に抜かれ必死でした。社内外の先輩に鍛えてもらいました。

兵庫県警記者クラブで、毎日抜かれて、 冷や汗かいていた時代です
2003 / 05

静岡総局 県警・県政担当 [4年目]

 週末は日系ブラジル人社会の取材に没頭。自分でテーマを設定し、掘り続ける醍醐味を知りました。使い捨てにされた労働者ら150人超の取材者リストは今も財産。

2005 / 04

大阪社会部 府警所轄周り担当 [6年目]

 社会部1年目、ベテラン記者と地方を長期取材する機会を得ました。今も米国の地方を回っていますが、当時の手法は今に生きている気がします。

2008 / 07

大阪社会部 府警捜査4課・交通・生活安全担当 [9年目]

 交通事故多発の取材を機にトラック運転手の過労に興味を持ち、1年間の長期取材。日本縦断の仕事に密着し、危険と隣り合わせの日常を大型ルポに。テーマ型の取材に手応え。

2008 / 10

大阪社会部 遊軍担当 [9年目]

 富裕層向けの壁に囲われた街「ゲーテッド・コミュニティ」。海外に広がる風景が日本にも上陸し、不動産業界の宣伝文句になっていることを大型ルポに。日頃の持ち場から離れた遊軍らしいテーマを選びました。

社会部遊軍になって取材が楽しくて仕方なかった頃です
2009 / 10

国際報道部 ハーバード大学に研究員留学 [10年目]

 初の英語での高等教育。英語でも取材可能との手応えを得て、関心領域が外に広がりました。

2010 / 10

国際報道部 内勤 [11年目]

 アメリカ中間選挙で出張取材。草の根保守「茶会運動」を追いかけ大型ルポに。米政治は学生時代の関心領域でしたが、それを仕事に直結できた喜びに酔う。

2011 / 07

大阪社会部 遊軍担当 [12年目]

 被爆直後の戦後日本で、米国は「核の平和利用」をどう宣伝したのか? これをテーマに米公文書館に通い、1950年代の文書を数千枚入手。米政府の宣伝計画、沖縄原発計画など史実を掘り起こしました。

2011/ 09

大阪社会部 教育担当 [12年目]

 ネットで大学教員らが教育資源を公開する「オープン・エデュケーション」の取材に没頭。米国、ドイツ、モンゴルにも取材を広げました。
 「教育のオープン化」をめぐる一連の報道」で第21回坂田記念ジャーナリズム賞(国際交流・貢献報道)受賞。
 初の単著『ルポMOOC革命 無料オンライン授業の衝撃』

2014 / 09

国際報道部 ニューヨーク支局 国連担当 [15年目]

 2016年の大統領選。1年以上の取材でトランプ氏の支持者に密着。支持者150人の暮らしぶりを通して米社会を描いた、単著『ルポ トランプ王国 もう一つのアメリカを行く』上梓。

入社動機

 「記者になるなら、朝日新聞で訓練を受けるのが良い」と他社に入った先輩から助言を受けました。入社前の面接で、リバタリアン思想で卒論を書いたことに興味を持ち、良い意味で私を質問攻めにした幹部が。こういう雰囲気で働けるなら成長できそうだと思い、入社しました。実家が購読していたことの影響もあると思います。

オフの過ごし方

 仕事と趣味の境があいまい。平日は忙しく、自分のテーマ取材にたっぷり時間を割くことは難しい。そのため、静岡時代の日系ブラジル人社会取材も、ニューヨーク支局での「トランプ王国」取材も、週末を充ててきました。本当に休むときはテニスをしたり、ハーレムにジャズを聴きに行ったりしています。最近はうまい地ビールやメシを求め、街をさまようことも。

時間ができると、レンタカーして地方を回る。米大陸はとにかく広い。

 就活の段階で、自分が何をしたいのかが明確な人は少数派でしょう。私もそうでした。入社後、いろんな現場に出て、人と会話し、読書し、考える中で、だんだん方向性が見えてきました。つまり、いまボヤッとしていても、好奇心さえあればジャーナリズムでの仕事に夢中になるでしょう。人々の喜怒哀楽の現場に立ち会うからだと思います。ネット空間に情報が溢れる中、現場に立って一次情報に接し、必死に考えて、情報を発信できる仕事はどこまでも刺激的です。

 また、私が卒業した2000年当時に比べても、いまの社会はますます単線ではなくなっているように感じます。新聞社への就職は運に大きく左右されるでしょうから、仮に今回、朝日新聞と縁がなくても、どこかでご一緒するかもしれません。ジャーナリズムに先輩も後輩もありません。おもしろい記事を書いていきましょう。

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