社員の1日

記者部門「地方総局 記者の1日」

総局は、記者として鍛えられ、試される場所。手探りしながら、共感を呼ぶ記事を書いていきたい

長野総局 横川 結香 YOKOKAWA YUKA 2013年入社 社会学部 メディア社会学科卒

職歴東京本社 東部支局 → 長野総局
事件担当を経験した後、長野市政や参院選を担当。2016年9月から県政担当に。

9:00

取材先へ直行

県政担当として、主に知事の記者会見や行政の発表をカバーしますが、担当にかかわらず、気になるネタを深掘りし「県版」に出稿しています。今朝は、取材のため県内の中学校へ直行。

9:30

海外アーティストと中学生の交流を取材

長野県でも、2016年度から「アーティスト・イン・レジデンス(海外アーティストを期間限定で滞在させ、街おこしを図る取り組み)」がスタート。英国出身の女性アーティストが、手作りのピンホールカメラの使い方を教え、生徒たちが一生懸命に取り組む姿を記事にまとめ、県版に出稿。(写真は2016年10月21日掲載分)

10:45

県庁へ

県庁に移動し、発表資料をチェック。長野県庁では「会見場」というだだっ広い部屋が仕事の拠点。会見も執筆もここで行います。

11:00

県知事の定例会見

隔週で開かれる知事の定例会見に出席。各部局から発表される事業の説明が終わったあと、各社記者の質疑応答に入ります。知事の声を直接聞ける機会なので質問しますが、公の場での質問はほんとうに緊張します。発表内容への追加質問もあれば、全国で問題になっている知事や議員の公費の使い方など、幅広い話題について聞くこともあります。

12:00

昼食

忙しい時もできるだけしっかり食べる主義。今日は先輩と一緒に、県庁近くのお気に入りのそば屋「草笛」へ。特製のくるみダレでいただく「くるみ蕎麦」はオススメの逸品!

13:00

県政取材

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、中国のホストタウン登録を目指す長野県。その登録のために動く実行委員会を取材。

13:45

県の国際戦略を取材

続いて、産業や観光、農業などの部局を横断し、県内経済の活性化を図るための国際戦略「グローバルNAGANO戦略プラン」について、詳細を取材。

14:30

長野市内で取材

「お墓のあり方」を知りたいと取材へ。きっかけは、2014年に起きた御嶽山噴火で命を落とした少女のお墓をご両親が建てたと伺ったことから。生と死、その境目にある「お墓」について知りたいと思ったからです。

御嶽山噴火報道――それは、私にとって決して忘れることができないもの。約3週間、現場で取材したのですが、その中でメディアスクラムを目の当たりにし、深く悩みました。記者として、私はどうすべきなのかと。今もご遺族の取材を続けていますが、時間の経過の中で、行きつ戻りつする心情をお伺いし、思いを伝え続けることの大切さを感じています。

15:30

総局へ移動

総局記者の取材は車が必須。私も入社前に運転免許を取得しました。車内にはミニ脚立や登山靴、冬場にはスキーウエアを常備。すぐに現場に直行できるようにしています。

仕事の相棒

3000メートルを超える名峰を楽しみに、多くの登山客が訪れる長野県。しかし、その地形と変わりやすい山の天気によって遭難事故が多いのも事実。季節を問わず、安全かつ確実に現場に向かえるよう、登山靴は必携です。

15:45

コーヒーブレイク&配属について

総局に戻り、頼れる先輩たちとちょっと一息。グルメ話や大好きなマンガ、音楽の話に花を咲かせます。

ところでみなさん、配属先について気になりませんか?
私の初任地は、東京本社 東部支局。次は「長崎がいいな」と思っていたのですが、上司から告げられたのは「長野」。今ではすっかり馴染み、ここでよかったと思っています。この異動を楽しんでいるのは、私の母。毎月のように長野観光にやってきて、なぜか長野に「ふるさと納税」も。

16:00

原稿執筆

普段は追加取材が必要になった場合にそなえて県庁で執筆することが多いのですが、今日は総局で執筆。この日は大小あわせて3本書きました。

17:30

デスクのチェック

原稿をまとめ、デスクのチェックを受けます。デスクからのアドバイスを参考に、原稿をブラッシュアップ。

19:00

「刷り」を確認

校正用の紙面を確認。交代制で校閲当番がいるのですが、その担当者に資料を渡して内容をチェックしてもらいます。間違いを発見したらすぐに直しを入れ、デスクに報告します。

20:30

事務作業

降版(紙面を印刷し始める)したあとは、事務処理や翌日の準備。やりたいテーマの取材をするためのリサーチなど。この日取材した話をメモ形式にして、内容を忘れないよう整理します。やっと落ち着く時間帯です。

泊まり勤務と夜勤について

総局によって異なりますが、記者には泊まり勤務や夜勤があります。

泊まり勤務の場合は17:00に総局に行き原稿整理や校閲を担当。19:00頃、出前の夕食をいただき、その後も校閲を行います。21:00頃、県内の警察署などに「何か変わりはないですか」と、警戒電話(略して警電)をかけ、情報収集します。もし、事故や事件が発生した場合は、デスクや警察担当に連絡し、緊急対応を要請します。その時点で分かっていることを端的にまとめ、「朝日新聞デジタル」向けの原稿を書くことも。スピーディーな対応が求められます。1面を含むすべての面が降版した後、総局内の仮眠室で休みます。

翌朝は6:30に起床し、各紙をチェック。何かあれば、担当者に知らせます。10:00までに起きた事件や事故は泊まり勤務の記者が取材して記事を書きます。その後、各担当者に引き継いで、ようやく「お疲れ様でした!」

21:30

帰宅

最近はスーパーで買い物したあと、自炊しています。早く仕事が終る時は取材で仲良くなった人と飲みにいくこともあります。総局長とデスクからは「人に会え」と言われますが、その通りだなと思います。何げない会話からネタが生まれることがあるからです。

オフの過ごし方

夏休みなどの長期休暇には、海外旅行へ。高校時代からUKロックにはまり、大学2年の夏には、憧れのロンドンへ。それが自分で貯めた金で行く初めての海外旅行先でした。記者3年目の2015年9月に、その思い出の地へ再び!懐かしい思い出を胸に、博物館前ではにかんでいる私です。

いつか「自己充実休職制度」を使って、海外へ行ってみたいと思っています。

入社動機

大学時代、バイトしたお金を貯めてはひとりで旅行していました。現地を歩いたりさまざまな国の旅行者が集まるゲストハウスに泊まったりして、そこでしか出会えないであろう人々の話を聞くのが好きでした。そんな自分に合っている職業は何だろう、と考えた末に行き着いたのが記者でした。朝日新聞を選んだのは、会う人それぞれが個性的であり、「こんな人もいるんだなあ」「こうなりたいなあ」と思わせる先輩がいたからです。

メッセージ

ひとの話を聞き、わかりやすく、おもしろい記事をつくる。センスが試される仕事だなあと日々感じています。取材相手によって、態度も言葉も違う。そのなかで自分がどう動くか。全身を試されるような気持ちになる時もあります。だからこそ、やりがいがあります。「記者に向いているかどうか」は関係ありません。人に興味があり、「やりたい」と思うならぜひ、手を挙げてほしいなあと思います。