先輩の声

一覧へ戻る

京都総局 藤原 学思 法学研究科修了 2010年入社

Profile

出身:兵庫県
家族や友だちがたくさん住んでいることです。

中・高・大のブカツ&サークル:
中学 / 野球部
高校 / 散髪屋のアルバイト
大学 / 旅行サークル

ひとこと:野球部:運動神経がよくないと悟りました。何事もやらねば気付けない!
アルバイト:700円を稼ぐことがどれだけ大事かわかりました。母親に感謝!
サークル:世界の大きさと、自分の小ささを知りました。ありきたり!

職歴・キャリア

2010年4月:入社

同年:北海道報道センター、道警担当

2011年4月:岡山総局、県警・司法、高校野球担当

2013年4月:京都総局、司法担当

2014年:社会部(東部支局)

2015年5月:社会部

入社動機

幼いころから、自分はものを書く仕事に就くんだと、漠然と想像していました。作家や脚本家もおもしろいと思ったのですが、「先の読めない現実」をテーマにすることの魅力に気付きました。では、なぜ朝日新聞か。インターンシップや東京校閲センターでのアルバイトを通じて、「この会社は個人の裁量が大きい」と感じたからです。プラスの意味で、「自由だ」と。他社と比較することはできませんが、自分の選択は正しかったと、いまも確信しています。

オフの過ごし方

旅行が好きです。「新聞記者は休みが取れない」。そんなイメージを抱いて入社しましたが、そんなことはありません。この会社に入ってから3年半で4回、沖縄へ行きました。海へ潜り、魚たちと戯れていると、幸せな気持ちになります。
普段の休日は、車で出かけることが多いです。京都は見どころがたくさんあり、まだまだ行くべき場所があるので、まずは府内各地をぐるぐると回りたいと思います。

座右の銘・好きな言葉

「学びて思わざれば則ち罔(くら)し。思いて学ばざれば則ち殆(あや)うし」
(名前の由来になった、孔子のことばです)

新入部員にひとこと

会いたい人に会えて、書きたいことを書けて、うまくいけば、それを人に読んでもらえる。がんばるひとに、やさしい会社。それが朝日新聞です。この文章を読んでくれたあなたと一緒に仕事をできる日を、心から楽しみにしています。

海外特派員に「GLOBE」編集、長期連載の担当。新聞記者という仕事をとことんまでやりつくしたい

総局での仕事:京都総局の司法担当として裁判を傍聴、取材する

京都の司法担当の持ち場は大きく分けて三つ、「地裁、地検、弁護士」です。

日中は地裁内の司法記者室に常駐していました。その日の開廷表のチェックから1日が始まり、刑事裁判なら、事件発生時に大きく騒がれたものを中心に傍聴します。もちろん、裁判は刑事だけではありません。裁判の数は、圧倒的に民事の方が多いです。民事裁判は判決次第で社会に多大な影響を与えるため、どんな裁判が開かれるのかを細かく確認し、過去の裁判例も参考にしながら、判決のパターンをいくつか考える必要があります。その際には、担当弁護士への取材は欠かせません。

新しく起こされた民事裁判をいち早くキャッチすることも重要です。裁判は誰にでも起こすことができますが、「社会に問題を投げかける」という意味では、提訴そのものがニュースになることもあります。この意味でも、弁護士との接触は非常に多い仕事です。

地検からは、起訴・不起訴など刑事処分について取材します。また、検察の独自事件も取材対象です。その検察内のうごめきをキャッチすることができれば、いわゆる「特ダネ」につながります。

やりがいを感じること:取材対象者に認めてもらう喜びを実感

やりがいは、日々感じます。どんな記事であれ、自分の書いたものが、何万人、何百万人もの読者に届けられている――。新聞を読むたびに、責任の大きさとともに、この仕事のありがたさをかみしめています。

司法担当は、事件など事象そのものが取材対象になることが多いです。そのため、自分なりに勉強をして、ある程度の知識を蓄えなければいけません。でも、取材相手はいつも生身の人間です。いくら知識があっても、ひとに迫れなければ、本質は見えてきません。刑事裁判なら、被告人に近い弁護士に話を聞きます。民事裁判なら、書面を読み込むだけでなく、ときには原告・被告双方の主張に耳を傾ける必要があります。

最近、ある取材対象者から「俺に娘がいたら、お前には嫁にやってもいいな」と言われました。「記者として」であると同時に、人間として付き合ってもらえていること、それだけ気を許して話せる間柄になれたことを、すごくうれしく思いました。

現在の仕事:東京社会部で渋谷警察署を拠点に事件や事故、街の話題を担当

2015年5月から、東京社会部で「方面担当」をしています。都内を10の地区に分ける警視庁の区分に沿ったもので、僕の持ち場は「2・3方面」。渋谷警察署を拠点とし、主に東京23区西部の事件や事故、街の話題を担当しています。

方面担当は他に4人いて、いわゆる「何でも屋」です。事件・事故では、自分の管内はもちろんのこと、事案が大きければ別の記者の管内にも駆けつけます。現場には多くの情報があります。そのとき何があったか、なぜそんなことが起きたのか。5W1Hを強く意識しながら現場を歩き、周囲に聞き込みをし、その情報を、主に捜査当局側への取材を担う警視庁本部担当の記者と共有します。

とはいえ、事件・事故の発生を待ち、現場に駆けつけ、情報を得ることだけが仕事ではありません。もう一つの柱が「街の話題」です。

いまはインターネットで多くの情報を得られますが、ユニークなひとや出来事を見つけたり、変化を感じ取ったりするためには、街を歩くことが大事になってきます。歩く、歩く。歩き続ければ、おもしろい、おかしい、不思議だと感じることにきっと出合います。

この仕事の魅力について一言で言うと「であい」だと思います。きのうまでは知らなかった人との出会い、考えられなかった事象との出合い。単純に僕は、そのことにわくわくします。これからどんな「であい」が待っているのか。だから、多少嫌なことがあっても(あまりないのですが)、「またあした」とがんばれるのです。

忘れられないこと:制度の不備によって辛い思いをするひとを助けたいという思い

前任地時代、1人の女性を取材しました。この女性は小学生の頃から15年間にわたり、義父から性的虐待を受けていました。「ずっと生き地獄でした」と女性は言いました。友好関係をチェックされ、何度も自殺未遂をしたそうです。中絶も2度、経験していました。3時間にわたり、じっくり話を聞きました。泣きながら、おびえながら、「生き直す作業がしたい」と、そう語ってくれました。

女性は、「せっかく義父から逃げたのに、転居先を知られたくないのに、住民票の閲覧制限を自治体に拒否された」と唇をかみました。女性を支援する団体は、総務省に制度改正を求める要望書を出していました。制度の不備と女性のストーリーを記事にしました。

記事が出た数カ月後、総務省が制度を改正する動きであることがわかりました。女性の訴えが届いたのです。制度改正を特報した記事は大阪の1面、東京でも社会面に掲載されました。「ありがとう。多くの女性に安心感を与える結果になったよ」。支援団体から後日そう言われ、話を聞かせてくれた女性への感謝を抱くとともに、この仕事の素晴らしさを実感しました。

仕事上のモットー:知りたい、伝えたいと本気で思っているか

「なんで知りたいの?早く伝える必要はどこにあるの?」。取材先からそう質問されて、答えに窮することがありました。「早く特ダネを取りたい」と焦っているときだっただけに、このことばは重みがありました。

その日から、こう自問するようになりました。「知りたい、伝えたいと本気で思っているか」と。

取材相手は、私のような若手記者よりもずっと年配だったり、その道のプロであったりすることが多いです。生半可な態度や気持ちでぶつかっても、見透かされてしまいます。どんな取材でも、謙虚に、愚直に、相手に思いを伝えることが大切です。ただ「ネタを取りたい」という功名心だけでは、誰も、何も教えてくれないのです。

ある尊敬するひとからもらった、一通のメールを紹介します。

「一切の余計でよこしまで社内的で私的な目的、思惑を排除して、とにかく純粋に、世の中への怒りや、疑問や、感動だけを、素直に追求し、表現していけば、おのずと読者はついてきてくれると思います」

これから:やりたいことが山ほどある

海外特派員になりたいと考えています。「知らない世界をもっと知りたい」。海外に足をのばせば、「知らない世界」はより広がっていると思うからです。朝日新聞には、月2回発行される「GLOBE」という紙面があります。トピックを絞り、世界中の記者が、深く取材した記事が掲載されています。この紙面づくりに、記者として携わることが一つの目標です。

特派員を一つの目標に記者を志したので、語学は学生時代から力を入れて取り組んでいました。ただ、いまは語学の勉強よりも、事件や裁判といった、目の前にある課題をクリアすることが目標です。どれだけ堪能に話せても、取材力がなければ意味がないからです。

また、長期にわたる連載に携わりたいという思いもあります。前任地時代、発達障害を抱える同じ年の女性を3カ月にわたり取材し、計11回、地方版で連載させてもらいました。その取材で、聞く力や書く力が磨かれたと感じたからです。

やりたいことはまだまだあります。とてもここで400字では書ききれません。それぐらい、新聞記者という仕事におもしろみを感じています。

他の先輩の声を見る

一覧へ戻る