先輩の声

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文化暮らし報道部(文化) 守 真弓 法学部 政治学科卒 2004年入社

Profile

出身:東京都
井の頭公園の桜がきれいです。

中・高・大のブカツ&サークル:
中学時代/ブラスバンド(トロンボーン)
高校時代/クッキング部
大学時代/アルバイト(ビデオ屋さん、ファミリーレストラン、パスタ屋さんなど。パスタ屋さんは、お皿を大量に割りそうになってしまい3日で解雇されました!)

ひとこと:たくさんの面白い人に会えたこと。

職歴・キャリア

2004年4月:入社

同年:岐阜総局 警察担当

2007年9月:仙台総局 仙台市政、岐阜県庁担当

2009年9月:政治部 総理番、野党自民党総裁番など

2013年10月:文化くらし報道部 出版業界、読書面担当

入社動機

エントリーシートには、いろいろ書いたのですが、本音を言うと、いろんな人に会って話を聞いてみたかった、というのが単純な動機でした。本当に、さまざまな人に会って、親しい人でも聞きにくいようなことを聞く、不思議な仕事です。この仕事をしていなければ、見られなかったことがたくさんあると思います。

オフの過ごし方

旅をしたり、お酒を飲んだりしています。

新入部員にひとこと

If you wanted to do something evil, put it in something boring.
(何か悪いことをしたければ、それを退屈なものに紛れ込ませてしまいなさい)
アメリカのコメディアンのジョン・オリバーの言葉です。重要なことほど、退屈な書類や、官僚文体に埋もれてしまっています。退屈そうな情報も見過ごさないこと、そして、世の中に見過ごされないように、できるだけ退屈でないように記事を書くこと。それを思い出させてくれる言葉です。

新入部員にひとこと

10年以上前なのに、就活のことを思い出すと、「くやしかった」と思い出すことがあります。でも、今思えば、いろんな会社のことを覗いて回ることができる、貴重な社会科見学の機会だったと懐かしくも感じます。たくさんつらいことや理不尽なこともあると思いますが、気分転換をしつつ、気楽に気長にがんばってください!

先輩からの「大事な話ほど、チョコレートで包んで書け」という言葉通り、誰が読んでもちょっと面白く、そして真意が伝わるように

現在の仕事:「読書面」の編集者 兼 記者として

日曜日に書評が掲載される「読書面」の担当をしています。朝日新聞の「書評委員」の方々から書評の原稿をいただく「編集者」の役割をしつつ、自分でもインタビューをしたり、記事を書いたりという記者の仕事を並行してする、珍しい担当です。

書評委員が集まって、どの本を書評するかを話し合う「書評委員会」は、2週間に1度、朝日新聞社内で、開かれます。委員は、学者の先生や、音楽家、画家、そして作家など、あらゆる分野の第一人者の方々。なぜ、その本が面白いのか、面白くないのか。いま、読まれる意味があるのか、そうでもないのか。大量の本を前に、委員がそれぞれの知見をもとに本の評価を率直に話し合うのを聞くことができるのは、最高の役得だと思っています。一冊の本に人気が殺到し、委員の間で取り合いになることもあれば、おすすめだと思っていても、誰にも「入札」されない本もあります。委員会の前、「この本は興味を持ってもらえるかな」と考えながら本を眺めているのが、何よりわくわくする時間です。自分では選ばなかったような本も毎週、大量に読むようになって、世界が広がってきたような気がします。

印象に残っている仕事:書店のベストセラーから感じた疑問を調べ、記事に

読書面の専従担当になる前は、出版業界の取材もしていました。出版界で何が起きているのかを知るため、経済部が企業を取材するように、出版社を取材して回る仕事です。
取材を始めた頃、本屋を回っていて、あまりにも韓国や中国を批判する本がベストセラーのコーナーに多いことを不思議に思い、「売れるから 憎韓嫌中」という記事でそうした現象を紹介したことがあります。1年分の週刊誌の見出しをチェックしたり、取次会社が発表するベストセラーリストに何冊、韓国や中国を話題にした本があるのかを数えたり、知り合いの週刊誌記者の人脈をたどって取材したりして書いた、地味な記事です。目立つ話を書いたつもりはなく、今、起きている現象を紹介したいといったくらいの気持ちでしたが、記事が出てみると驚くほど大きな反響がありました。たくさんの人が当時、私と同じように本屋の本棚を見て驚き、「一体、何が起きているのか」を不思議に思っていたのだろうと思います。この記事には、一部からは抗議もありましたし、同業者を取材対象にする難しさもありました。ですが、取材対象として少し距離を持って出版業界を見ることは、同じ言論世界にある新聞業界の中で何が起きているのかを考えていく上でも、とても勉強になりました。

政治部でのこと:首相の「ぶら下がり」取材で、その日のトップニュースを引き出す

2009年に、自民党から民主党へと「政権交代」した直後、政治部に配属されました。岐阜、仙台という2つの総局しか知らなかったのに、いきなり、首相に質問するのですから、本当に冷や汗ものです。当時は、1日2回、首相の「ぶら下がり」取材が認められていたので、緊張症の私は毎日、胃が痛くなるほどでした。ある日、就任まもない鳩山由紀夫首相に、沖縄の普天間基地の移設問題への対応を聞くことになりました。先輩に相談して、「これは絶対聞いた方がいい」と言われた質問です。いつも通り緊張しながら質問すると、首相がぽろりと、「時間というファクターによって(マニフェストが)変化する可能性は否定しない」と答えたので、驚きました。この発言は、衆院選の民主党のマニフェストで「米軍再編や在日米軍基地のあり方について見直しの方向で臨む」としていた路線の転換かと、その日のトップニュースとなり、その後、首相の基地をめぐる発言は二転三転して、政権の失速の要因の一つとなりました。一つの言葉が、基地問題を揺さぶり、政権自体を揺さぶるのだと、政治家の言葉の重さを実感しました。今もテレビで首相の会見の映像などが出ていると、手に汗を握って見てしまいます。

仕事上のモットー:ギリギリのところまで、できるだけ書くこと

 文化部に来たばかりの時に、尊敬する先輩から、「どんなにいいことを言っていても面白くなければ、誰も読まない。大事な話ほど、チョコレートで包んで書け」と言われたのが心に残っています。一人よがりの記事にならないよう、きちんとみんなに伝わるように。そして、誰が読んでも少しは面白く、できれば少しユーモアのある記事にするように、と。すごく難しくて、なかなかできないのですが、そう心がけたいと思っています。

あとは、「できるだけ、なんでも書く」こと。東日本大震災から少しした頃、「大手メディア」への不信が世の中にあふれました。すでに新聞に何度も書いてあることが多かったのに、「大手メディアは、書かない」と書くネット論客らが人気を集め、「あれも、これもちゃんと書いているのに」と毎日いらだっていたのを覚えています。でも、こうした不信の大もとには、やはり震災があったのだと思います。原発事故の直後、記者もわからなくて「書けなかった」ことが、「書かなかった」という疑いを産んでしまった。こうした不信を払拭する一番、大事なことは、書けることは、人権などに配慮しつつ、ギリギリのところまでできるだけ書くという姿勢に徹することではないでしょうか。これも今、とても難しいことだと思いますが、気をつけたいと思っていることです。

これから:いろいろな国の言葉を学び、諸外国の実情をもっと知りたい

いろいろな国の言葉を学んでみたいと思っています。何が起きているのか、複数の国のメディアを確認することが今、インターネットでできるようになりましたし、それは自分の記事を相対化して考えるためにも、とても大事なことだと思います。偉そうに言っても、アラビア語はじめ、いろいろな言葉で挫折を繰り返しているのですが・・・。目下の目標は、ドイツ語です。飽きっぽいので、どこまで続けられるかわかりませんが、ドイツメディアを通じて、ドイツや、ヨーロッパで何が起きているかをもう少し詳しく知ることができたらいいな、と思っています。

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