先輩の声

一覧へ戻る

鳥取総局 村井 七緒子 国際政治経済学部国際政治学科卒 2011年入社

Profile

出身:東京都
鳥取のいいところを知れば知るほど、自分の地元のことをちっとも知らずにいたことを痛感しています。

中・高・大のブカツ&サークル:
中学 / バドミントン部
高校 / テニス部
大学 / 国際法の勉強会、海外旅行

ひとこと:もっと遊んでおけばよかった。

職歴・キャリア

2011年4月:入社

同年:大阪本社・地域報道部

2012年4月:鳥取総局 県警担当(高校野球担当も)

2013年9月:鳥取総局 県政担当

2015年5月:経済部(経済)

入社動機

大学OBの新聞記者の先輩から、思い出に残る町ダネ取材の話(たしか離島の一家が家族新聞を発行しているという話)を聞いて、面白そう!と思ったことが記者を志した始まりです。以来、実家でとっていた朝日新聞をよく読むようになり、「こんな記事書いてみたいな~」とあこがれを募らせていました。

オフの過ごし方

中国地方最高峰の大山(だいせん)に登ったり、浦富海岸をシーカヤックで巡ったり、砂丘を散歩したり、鳥取の自然を満喫しています。

座右の銘・好きな言葉

大きいものより小さいもの、中心より周縁

新入部員にひとこと

就活は一度きりと思わないで。私は3度目の応募でこの会社に入れました。

自らの足で地元ネタを発見、読んでもらえる面白い記事テーマを企画

現在の仕事:県からの情報発信のほか、自ら地元ネタを見つけて取材も

朝刊の鳥取版地域面に載せる記事を取材、執筆しています。私は県政記者クラブに所属し、主に県政の発表モノや県議会を担当していますが、持ち場に関係なく県内を自由に動いて、見つけたネタをどんどん出稿しています。鳥取から新聞1面や社会面に載るニュースが出ることは珍しく、ニュースを「追う」というより「見つける」という感じ。世の中にとっては小さな話ばかりですが、宝探しのようで面白いです。

取材では、あらゆる年齢、職種の人から生い立ちを聞いて記事にすることがよくあり、人生で一番の苦悩やよろこびなど、非常に個人的で込み入ったことも聞かせてもらいます。挫折の乗り越えかた、意志を貫くこと、家族の大切さ、たくさんの人生の教訓を、取材を通して教わることが、自分自身の糧になっていることを実感します。記事にして多くの人に伝えることが役割ですが、そのためにいろんなものを受け取る仕事だと思っています。

印象に残っていること:球児の恋話を連載。大きな反響で忘れられない記事に

高校野球を担当した2012年、野球に関心のない人も読みたくなるものを書きたいと思い、野球と恋愛をテーマにした連載「恋せよ!球児」を書きました。テーマを決めた時点で取材のあてはゼロでしたが、「一生懸命野球を頑張る球児なら、いい恋してるはず」と信じて、監督や関係者に聞いてまわりました。

2カ月余りかけて元選手や元マネジャーを訪ね歩き、いい話が聞けたときはすごくうれしくて、夢中で取材しました。最終的に、練習中に告白を叫んだ話、選手を好きになってチームに溶け込めたマネジャーの話、現役時代に引け目を感じながら交際を続けた話、恋愛禁止にした監督の話、遠距離恋愛を経て結婚した話を記事にしました。朝日新聞デジタルで読んだ東北の読者から感想が届くなどの反響があり、やりがいを感じた一方、取材させてもらった方々には、面白い記事を書くために個人的な思い出をほじくり返したようで、申し訳ない気がしていました。だから掲載の1カ月後、連載の最終回に書いた夫婦の奥さんに再会したとき、「記事をみてあちこちから連絡がきて大変だったのよ。書いてくれてありがとう」と涙目で言われ、驚きました。自分の発想をもとにいろんな人の力を借りて連載が出来上がり、それをたくさんの人が読んでくれたことがうれしくて、忘れられない記事になりました。(大会が始まってからは失敗ばかりでしたが…)

現在の仕事:東京本社経済部で、素材系のメーカーを担当

2015年5月に東京本社経済部に異動しました。現在は製造業の中の鉄鋼や化粧品・日用品などの業界を担当し、主に民間企業を取材しています。経済部の中では「素材担当」と呼ばれていて、他にも製薬、製紙、繊維、化学などのメーカーが含まれます。

知らないことばかりでまだまだ勉強不足ですが、見るもの、聞くことすべてが新鮮で、さまざまな産業の結びつきが社会を動かし、人々の暮らしを支えていることを実感します。たとえば鉄鋼製品は、オーストラリアやブラジルから輸入した鉄鉱石と石炭が主な原料で、できあがった製品は自動車の車体になったり、建設資材になったりします。だから企業の業績をみるには、原料価格の変動や、自動車の売れ行き、住宅や建物の着工件数の増減など、たくさんの背景要因を考えないといけません。製紙業界だと、新聞の発行部数から野菜の売れ行き(包装などに紙を使用)、訪日外国人数の増減まで(ホテルや飲食店でトイレットペーパーが使われる)、世の中のさまざまな現象が売り上げに影響するんだなぁと驚きます。

先輩たちは会見で鋭い質問をビシバシ投げかけ、難しい話をあっという間に分かりやすく原稿にしていて、そんな様子を横で見られるのも勉強になります。都会のビルの谷間で、鳥取の山々や土のにおい、おおらかに流れる時間がときどき恋しくなりますが、そんな風に思える場所があることを同時にうれしく思ったりもします。

忘れられないこと:被災者の側に立って伝えてきたつもりだったけど・・・

大阪本社にいた記者1年目の9月、紀伊半島豪雨の取材で約1カ月間、和歌山県那智勝浦町に行きました。先輩の後ろをくっついて、家が流されたり、家族を失ったりした住民から話を聞きました。濁流の中で一晩中、祖母を抱えながら助けを待った女性に出会い、先輩がその方を記事に書いてくれました。新聞は被災1カ月の節目で大きく紙面展開し、それを最後に私たちも大阪へ戻ることになり、今まで会った人たちにあいさつに行きました。家が流された男性からは「そうか、帰るところがあるんだね」と言われ、記事にした女性は、「夜が来るのがこわい。毎日泣いてばかり」と疲れ切っていました。私は帰るときになって、1カ月の節目はこちら側の勝手な区切りに過ぎないと思い、それまで被災者の側に立って伝えてきたつもりになっていた自分をひどく恥じて、浅はかなことをしていると感じて落ち込みました。忘れられない経験です。

仕事上のモットー:情報をそのまま記事にするのでなく、ひとひねりして面白く

行政や企業などからの報道提供をそのまま素直に記事にするのではなく、ひとひねり考えてみることです。他紙と同じような記事じゃつまらないし、素朴な疑問を面倒がらずに問い合わせてみると、人々の隠れた熱意や、意外な切り口が見つかったりして、面白い記事ができることがあるからです。
今年6月、鳥取県の山あいにある、恋山形駅という小さな無人駅がピンク一色に塗りかえられました。それだけでも面白いですが、鉄道会社の人に「どれだけの人が駅を使っているかを示すデータはありますか」と尋ねると、「1日平均2人という調査結果があります」という返答。鉄道会社のご理解とご協力も得てちょっとしたオチをつけて、紙面では県版で18行の短い記事に仕立てました。すると、それが朝日新聞デジタルのトップ画面に載り、ツイッターで1万件以上つぶやかれるという大反響でびっくり。ひとひねりの醍醐味と、インターネットの威力を実感する出来事でした。

これから:ドキュメンタリー番組のような動画記事で幅広く伝えたい

テレビのドキュメンタリー番組みたいな動画記事をつくってみたいです。今もイベント取材などで動画を撮りますが、できあがるのは30秒程度のもので、文字と写真の記事のおまけみたいな感じです。テレビと違って新聞は取材も写真撮影も動画撮影も、すべて1人でこなすので、動画がメインにならないのは当然といえば当然ですが、記事も書きつつテレビのような、グッとくるドキュメンタリー動画をつくれたら、伝える幅が広がっておもしろそうだな~と思います。

他の先輩の声を見る

一覧へ戻る