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創業140年の「ベンチャー企業」

140年以上の歴史がある朝日新聞社。その間ずっと受け継がれてきたのは、何事にもチャレンジする「ベンチャー精神」です。

01 新規事業

メディアラボ発・AIカメラで撮影した動画を配信する「LiveA!(ライブエー)」とアライアンス事業部が立ち上げた新サービスをご紹介します。

「LiveA!(ライブエー)」は、AIカメラを使ってアマチュアスポーツの試合を撮影し、ネットで配信するサービス。2021年8月にスタートしたこのサービスは、テレビで中継されることはない「地区大会の1回戦」から映像化することで、自分の子どもが出る試合を見たいのに仕事やコロナ下で簡単に観戦にいけない保護者たちに、子どもの活躍する姿を自宅に届けます。
このサービスを立ち上げたメディアラボ・植田佳典さんに話を伺いました。

社内公募で事業化 新たな市場に挑戦中

 2021年、人工知能(AI)を搭載したカメラで撮影したスポーツ映像を配信するサービス「LiveA!(ライブエー)」を事業化しました。目指すのは「アマチュアスポーツの振興とビジネス化」です。

 事業で使うのは、イスラエル製のAIカメラ「Pixellot(ピクセロット)」です。直径30センチほどの円盤型をしたポータブル式で、二つのレンズで撮影した映像をつなぎ、選手やボールの動きを自動で追いかけて配信してくれます。複数のカメラとスタッフで撮影するこれまでのスポーツ中継に比べて、約9割以上も経費を削減できるのが特徴です。

転機はテレビ局出向

 きっかけは2016年、メディアビジネス局から大阪の朝日放送(ABC)に出向し、新規事業の開拓を担当したこと。新しい技術を求めて米国ラスベガスのテクノロジー見本市に出張した際に、ピクセロットを見つけました。

 「米国のケーブルテレビや高校スポーツ団体と連携し、新たなスポーツチャンネルを立ち上げた」と発表されていたのを見て、「日本にローカライズしたら、でかい市場があるんじゃないか」。好奇心がうずきました。

顧客は学生スポーツの保護者

 本当は人見知りで、「右にならえの性格」。しかし、ABCで担当したベンチャー投資の仕事で会った経営者たちは、社員の人生を抱えながら「生きるか死ぬか」の覚悟を持って仕事をしていました。「自分はそうしてきただろうか」。働き方を振り返るきっかけになりました。

 朝日新聞社に復帰した2018年春に、新規事業を社内から公募する「STARTUP!」制度に応募して、最終審査を通過。予算を獲得して、2020年夏にメディアラボに異動して専念することになりました。現在は中学高校のバスケットボールの大会を中心に撮影し、仕事や新型コロナウイルスの影響で我が子の活躍を見られない学生スポーツの保護者に、1試合ごとに動画を売るビジネスを展開中です。

「後輩たちもチャレンジを」

 大学時代に所属したアメリカンフットボール部の試合では、何万人もの観客がスタジアムを埋めるのを見ました。「選手が積み重ねた日々の証明が映像に残る。収益が安定したら、アマチュアスポーツが持続可能になれるように還元したい」

 朝日新聞のような会社で新規事業を始めることは、「給料を保障されたままチャレンジできる。どう考えても恵まれた環境だ」と考えています。社内のイノベーションを成功させることで、「後輩たちにもチャレンジャーを増やしたい」と奮闘しています。

(聞き手・矢吹孝文)

Profile

メディアラボ
植田佳典(うえだ よしのり)

 大阪市出身、長野県育ち。大学時代は体育会でスポーツ漬けの日々を過ごす。2002年に朝日新聞社に入社。
 広告局(現メディアビジネス局)に配属され東京、名古屋、大阪と転勤。広告局ではファッション・化粧品や映画、食品分野の営業などを担当し、2016年春には大阪にあるテレビ局の朝日放送(ABC)に出向して、新規事業開発やベンチャー企業への投資を経験。

Profile 植田佳典(うえだ よしのり)

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