Message 先輩メッセージ

社会部の視点でスポーツを掘り下げ
その影響を取材

原田 悠自/ HARADA YUJI

所属部署社会部

入社年 / 専攻2018年入社 / 経済学部 経済学科卒

現在の仕事
スポーツ取材と多摩地区行政を担当

高校野球やラグビーワールドカップ(W杯)などのスポーツを中心に取材をしています。社会部なのにスポーツ? と思われるかもしれません。試合での勝敗の分かれ目や活躍した選手などを掘り下げて取材するのがスポーツ部。社会部では、選手やチームを取り巻く環境、スポーツがもたらす社会現象や経済効果などを取材します。ラグビーW杯では、日本が史上初のベスト8進出を決めた瞬間を取材し、最前線に立てる仕事のやりがいを改めて感じました。ラグビーにゆかりのある著名人へのインタビュー企画「楕円とわたし」も担当しました。スポーツ以外では、東京・立川を拠点に、多摩地域の行政や平和、災害など関心のある分野を取材しています。

印象に残っていること
豪雨災害を伝え、誰かの力になる

特に印象に残っているのは、広島総局で勤務していた2018年7月の西日本豪雨災害での取材です。雨が本格化した7月6日夜。広島県内では、消防や警察でも状況を把握しきれないほどの土砂災害や浸水被害が至るところで起き、現場に行くのも危険な状況でした。何が起きているのかを伝えなければならないのに、伝えられない。歯がゆさでいっぱいでした。翌日から現地に入りました。被災された方々への取材はどれも忘れられません。「目の前で濁流にのまれていく人を助けられなかった」と悔やむ女性や、仮設住宅での生活で心のよりどころをなくした一人暮らしの高齢男性・・・。豪雨災害は今も各地で起きています。広島での経験を生かし、被害を少しでも食い止めるための災害報道を心がけています。

これから
報道を通じ、社会のルールを良い方向に変えていきたい

漠然としているのですが、「泣き寝入りさせない」「逃げ得を許さない」記者を目指しています。法律や条令といった社会のルールがあっても、どうすることもできない状況に置かれている人は少なくありません。弱者に寄り添い、調査報道などを通して社会問題を提起する。それによって社会のルールを良い方向に変えていくことが、ジャーナリストとしての使命だと考えています。まだまだ経験が足りていません。日々、取材を積み重ねていくことによって、目標に近づきたいです。

MY CAREER HISTORY私のキャリアヒストリー

2018 / 02

入社 広島総局 経済担当 [1年目]

 他社の記者として警察や司法、スポーツなどを担当し、中途採用で入社。広島での取材経験があり、なじみある場所での再出発に身が引き締まる思いでした。「オタフクソース」の取材を通してお好み焼きのとりこに。体は一気に緩みました。

2018 / 03

長男誕生

 予定日が近づき、「この日だけはやめて」と言っていた3月10日。岡山にいた妻から「お知らせ」が。デスクに急きょ宿直勤務を交代していただき、岡山での出産に立ち会うことができました。感謝してもしきれません。

2018年3月、広島総局員で地元の駅伝大会に出場
2018 / 04

広島総局 高校野球担当

 夏の高校野球100回大会の企画を担当。原爆が影を落とした戦後すぐの時代から広島の球歴をひもときました。豪雨災害に負けじと奮闘する球児の姿を見て、もらい泣きしてしまう時もありました。

2018 / 09

広島総局 県政担当

 豪雨災害からの復興に向けた広島県政の取り組みを追いました。被災者の心のケアやインフラの復旧などを取材。転勤が決まり、湯崎英彦知事から「東京でも防災を頼むよ」と発破をかけられるほど、多くのことを学びました。

2018年10月、西日本豪雨半年の記事
2018 / 12

広島総局

 広島総局での忘年会。幹事を務めていたため、トナカイの着ぐるみ姿で参加。

2019 / 05

東京本社 社会部 高校野球担当 [2年目]

 西東京大会を担当。開幕前の特別紙面では、広島東洋カープの鈴木誠也選手にインタビューしました。甲子園では、西東京代表校の国学院久我山に同行。早朝の散歩や食事、風呂など、まさに「裸のお付き合い」をさせていただきました。甲子園初勝利を果たし、校歌がスタンドに響いた瞬間、またも涙腺崩壊。

2019年7月、鈴木誠也選手へのインタビュー記事
2019年8月、甲子園球場での国学院久我山の練習。後ろにいるのが私
2019 / 09

社会部 ラグビーW杯担当

 日本―アイルランド戦の取材で静岡へ向かう新幹線で、アイルランド代表選手のお父さんに偶然、出会いました。元ラガーマンで、代表として初めてW杯に臨む息子を見ようと飛行機で半日以上かけて来日したそうです。日本の劇的勝利に沸いた裏で、お父さんは残念がりながらも「素晴らしい戦いだった」と日本をたたえていました。競技の魅力の一つである「ノーサイド精神」の素晴らしさを実感しました。

2019年10月、笹本玲奈さんへのインタビューの様子
笹本玲奈さんへのインタビュー記事
2020 / 04

東京本社 社会部 検察庁担当 [3年目]

 東京地方裁判所にある司法記者クラブに在籍し、政財界を巻き込む汚職事件や裁判などを取材。事件の発生から裁判まで一貫して担当することもあり、真相に近づける報道を目指して日々、地道に取材を積み重ねています。

2020年8月、河井前法相夫妻の裁判記事

入社動機

小学生の頃、ピアノの音楽コンクールで入賞し、新聞の片隅に自分の名前が載っていて大喜びしたことがきっかけです。高校球児時代の自分の記事も大切に保管してあります。一人でも多くの人に、人生の記録にも記憶にも残してもらえるような記事を発信したいと思い、志望しました。

オフの過ごし方

趣味はランニング。お酒も好きで、走りがてら気になる飲み屋を探しています。高校の友人と毎年、キャンプや旅行もしています。キャンプで訪れた無人島のことが気になり、後日取材して連載したことも。外で足を動かしたりお酒を飲んだりしていると、思わぬ出会いや発見があり、オフの楽しみです。

高校の同級生と山梨県にキャンプへ

みなさんへのメッセージ

記者を志しているみなさんの中には、大学でメディア系のゼミに入っていたり、インターンシップを経験したりしている人もいると思います。私は恥ずかしながら、学生時代にそうした経験は全くありませんでした。それでもご縁があって記者になることができ、今でもやりがいを感じながら仕事に携われています。その一番の理由は、人と出会い、話を聞くことが好きだからだと思います。記事を書くこと自体は、入社して取材の場数を踏んでいけば確実にうまくなっていきます。学生時代の経験の有無にかかわらず、人と話をすることが好きで、「時代の最先端を追いたい」とか「世の中の疑問を解決したい」と考えている人は、ぜひ記者を志望してもらいたいです。近い将来、一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。

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