Parenting Support 子育て支援

子育てをサポートする制度

子育てをしながら仕事を続けられるように手厚い制度があり、多くの社員が利用しています

子どもが小学校を卒業するまでは、休日勤務の免除や、働く時間をずらすスライド勤務を選ぶことができます
プラチナくるみん 

朝日新聞社は、社員の子育てのサポート、両立支援の制度づくりや利用が特に進んでいるとして、2018年から厚生労働大臣の認証「プラチナくるみんマーク」を得ています

男性社員も育休・時短

朝日新聞社は男性の育休取得100%をめざしています。育休と時短勤務を両方とった大阪社会部・玉置太郎記者に聞きました

育児も家事もイーブンに担いたい

 子どもが生後4カ月のときから5カ月間、育休をとりました。復帰して半年フルタイムで働き、その後1年間、午前10時~午後4時の短時間勤務をとって家事・育児を主に担いました。

 育休は、小学校の先生をめざしていた妻が教育実習に行くタイミング、時短は、彼女が先生として働き始めたことがきっかけです。でも、「やむをえず」というより、性別役割分業の価値観にとらわれず、育児も家事もできるだけイーブンに担い合いたいという思いがありました。

 業務量や収入を考えて今はフルタイムに戻しましたが、できるだけ午後6時台に会社を出るようにしています。

 時短で働く男性記者はまだ例が少なく、私がとり始めた当初はまわりにも戸惑いがあったと思います。時間外に会議が設定されていたり、電話がかかってきたりして、自分自身も仕事からの切り替えに苦労しました。

 でも、そんな姿を見せて理解を広げることも自分の役割かもしれないと考えました。実際、後に続いて育休をとる後輩も出てきています。男性が育児をすることへの社会的な意識の変化、制度改正もあり、この数年でだいぶ環境が変わったと感じます。

気づいた 社会の仕事観のおかしさ

 育休や時短をとったことで、日々いろんなことができるようになっていく乳幼児期の子どもの成長をつぶさに見ることができました。加えて、仕事の評価=人としての価値のようになっている世の中のおかしさにも気づくことができました。「ワークライフバランス」は労働と生活を切り離して捉えた言葉ですが、本来、生活の一部に労働があるはずです。この先、介護をしながら働く人も増えるでしょう。いろんな選択をしながら働けることが、組織の強さにもなるのではないかと思います。

玉置 太郎(たまき・たろう) 2006年入社。松江総局、京都総局を経て、大阪社会部へ。外国にルーツを持つ子どもたちをライフワークとして取材するかたわら、学習支援ボランティアを9年間続けている。2017~2018年に自己充実休職の制度を使って英国ロンドンへ留学し、移民公共政策学の修士号を取得した。2023年10月、初の著書『移民子どもの隣に座る 大阪・ミナミの「教室」から』(朝日新聞出版)を刊行。

子育て中の記者の一日

朝日新聞社には、子育てや介護をしながら働いている社員がいます。小学生と保育園児の双子を育てている大津総局記者の林利香さんの一日を紹介します

06:00

起床

子どもたちが起きるまで自由な時間を過ごす
07:00

子どもたちを起こし、朝ごはん

食事の支度は、同業他社に勤める夫が担当

08:00

小学生の子を送り出す

その後、下の子たちを連れて保育園へ

10:00

大津総局に到着

取材のアポ入れや準備、原稿の執筆など。取材先に直行したり、自宅で原稿を書いたりする日も

12:00

昼ごはん

総局近くのカフェでランチ。お弁当を持参することも

13:00

選挙の立候補予定者を取材・執筆・出稿

現在の担当は、教育、大津市、高島市など。それ以外の分野も、社会の状況や自分の興味に応じて取材する。原稿は出先でそのまま書くことも、総局に戻って書くこともある

15:30

デスクから原稿に注文、加筆

できあがったら、内容に間違いがないか確認

18:00

退社

仕事が終わり次第、総局を出る。月2回の夜勤時は21:30まで事件警戒などをする

19:30

保育園にお迎えに

20:00

お風呂、晩ごはん

上の子は林さんの実家で、双子は保育園で晩ごはんを食べさせてもらうことがほとんど

-22:00

就寝

たいてい一緒に寝落ち

林 利香(はやし・りか) 2012年入社。高松総局、秋田総局、コンテンツ編成本部(紙面のレイアウトや見出しを考えて組み付ける編集者)を経験。秋田総局のときに第1子、編集者時代に双子を出産。それぞれ産休・育休を取り、復帰後は短時間勤務制度を利用した。2022年4月から大津総局

周囲の声かけで 制度使いやすく

 入社5年目に上の子を、8年目に下の子たちを出産しました。復帰後、編集者として働いていましたが、希望して記者に戻りました。京都の自宅から大津総局に通っています。夫と分担しつつ、近くに住む母の手も借りてなんとかやりくりしています。その母も体調を崩しがちなため、シッターさんのお世話になることもあります。

 2度目の育休前後の男性上司が、育休も時短もとった経験のある人でした。「子どもが小さい時は焦らず、家庭を優先していい。子どもを見られる時期はあっという間だけど会社員人生は長いし、落ち着いてからでもキャリアを積める」と言ってくれたことが心に残っています。子育て中の女性の先輩も複数いました。福利厚生が充実している会社ですが、上司や先輩の理解と声がけがあればこそ、制度を使うこともできたし、あまり悩まずに両立してこれたと思います。

 記者の仕事は、大きなできごとがあれば速やかに対応しなければならない一方、そうでないときにはわりと自由に時間を使うことができます。今の上司や同僚も理解のある方たちばかりで、仕事が早く終われば早く帰る、直行直帰して自宅で原稿を書くなど、柔軟に働いています。

時間の制約はあれど 不利じゃない

 秋田総局のときのデスクは、常々「記事に生活者目線が足りない」と言っていました。当時は、意味がよくわかりませんでした。育休に入り、「この情報がなんで載っていないんだろう?」ともどかしく思う経験を重ねて、自分がいかに自治体などの「発表者目線」で記事を書いていたかに気づかされました。出産前は、子育てしながら仕事をするのは不利な気がしていましたが、今はハンデとは感じていません。使える時間は圧倒的に少なくなったけれど、生活者の視点を大事に、できるだけ当事者の声を聞きながら記事を書いていきたいと思います。

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